日本経済新聞 Web版 2010/4/5 14:15
「衆院選とともに実施される最高裁判所裁判官の国民審査に、海外から投票できないのは違憲として、中国在住の日本人男性が5日、次回の国民審査に投票できる権利の確認を求め東京地裁に提訴した。原告側代理人によると、在外邦人が国民審査に参加する権利を求める訴訟は初めて」
1959年、砂川事件一審の「駐留米軍違憲」の判決の次の日、駐日・米国大使が藤山外相(当時)に秘密会談を申し込み、ついで弁護団とも会わない最高裁長官と密談の結果、最高裁の一審破棄・駐留米軍合憲の判決が出されました。
これに対する最高裁判所裁判官の国民審査では、棄権をも含む白票が「自動的に信任と見なされる」制度となっています。
最高裁判所裁判官国民審査法の制定は、1947年。 現行の第15条です。
審査人は、投票所において、罷免を可とする裁判官については、投票用紙の当該裁判官に対する記載欄に自ら×の記号を記載し、罷免を可としない裁判官については、投票用紙の当該裁判官に対する記載欄に何等の記載をしないで、これを投票箱に入れなければならない。
この条文が1947年に制定されたとすれば、このときから国民の意思が正しく投票に反映されず、憲法の国民主権の精神に反し、最高裁判所裁判官国民審査法自身が効力を有しない性格をもっていることになります。
この布石がうまく働いたのか、上記の「駐留米軍合憲・一審の判決破棄」最高裁判決(1959年12月)の後の国民審査(第5回 1960年11月)以降の結果では、すべての最高裁裁判官が信任されています。
おそらく、この憲法の精神を否定する「最高裁判所裁判官国民審査法」と、国民の意思を正しく反映しない「選挙」(小選挙区制など)、放送法の基準をゆがめた「NHK国内番組基準」による多数党偏重/少数党軽視・無視などが、憲法の軽視・無視、結果としての年金・財政の危機化などにつながっている側面もあるのではないでしょうか?
歴史が明らかにすべき点のひとつだと思います。
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